子宮頸がん検診がはじめてのかたへ

2024年07月27日

子宮頸がん検診って、どんなことをしているのでしょうか?

20歳になると、市町村から子宮頸がん検診の通知が届きます。婦人科の診察が未経験のかたは、どんな検査かわかりづらいですよね。子宮頸がんがあるかどうかを調べる検査であろうと見当はつくと思いますが、どんな風にして検査するのか、通知には詳しく記載されていません。どのような検査をするのかわからなければ、診察を受けることが不安に感じると思います。さらに最初のイメージが悪いと、これから産婦人科を受診するのが億劫になるかもしれません。

子宮頸がん検診では、内診と子宮頸部細胞診を行います。今回のブログでは内診と細胞診についてお話しします。ブログを読んで、少しでも不安なく受診していただければと思います。

(左上:回転する内診台、右上:上下のみ動く内診台、下:診察の服装のおすすめ)

まず診察室でお話をお聞きし、必要な検査を決めたあと、隣の内診室に入っていただきます。内診室には椅子型の診察台があり、靴と下着を脱いで座っていただきます。カーテンで仕切られていますので、お着替え中や診察中に医師と対面することはありません。服装はイラストを参照していただくとよいですが、気にされなければどんな服装でも問題ありません。準備ができたかどうか、お声をかけて確認します。急に動くことはありませんのでご安心下さい。左の内診台の場合は、電動で診察台がゆっくり回転し、そのあと高い位置に上がり、背もたれが倒れます。その際両足をおいている台が自動的に左右に開き、外陰部が医師にみえる状態になります。右の内診台は靴と下着を脱いだ後、ベッドに横たわるように仰向けで寝ていただきます。その後こげ茶色の左右の足台にそれぞれの膝をかけ、スタッフがおしりに敷いてある台を取り除きます。こちらもスタッフがお声かけしますので、ご安心下さい。

 

(和歌山市役所HPから抜粋)

内診とは膣の中を指で触診し、同時にお腹を上から押さえる診察のことです。子宮や卵巣などに腫れがないかどうか、痛みを伴っていないか、子宮の可動性があるかどうかを確認します。そして膣に膣鏡という器具を入れ、膣内(おりものや膣壁の性状、子宮の入り口)を確認します。膣鏡は大きさが複数あり、個人に合わせた大きさの器具で診察します。子宮の入り口を専用のブラシでなぞり、細胞を採取するのが子宮頸部の細胞診です。

一番心配されるのは、子宮頸がん検診は痛いかどうかでしょう。性交渉の経験があるかたはそれほど痛みを感じない検査ですが、不安感から緊張して力みすぎていると、痛みを感じてもおかしくありません。まず当院では内診前に、リラックスできる体勢をお伝えします。両膝を曲げ気味にすると、おしりが台にしっかりつくようになり、力が抜けることで痛みを感じにくくなります。また状態を確認するために、お声をかけながら診察します。受け答えをしていただくことで、息を吐くことができ、力むことによる痛みが軽減できます。膣鏡での診察も大きさが複数あるので、痛みを心配される方には小さめの器具を使用しますので、安心して診察を受けていただければと思います。院長も女性ですので、いままで自分が内診を受けてきた経験から、痛みがおきにくい診察方法を考えて今に至ります。ご安心下さい。

子宮頸がん検診の精度は高いですが、他の疾患はほとんど検出できません。症状があれば経膣エコー検査や他の検査を行います。気になる症状があれば、内診室に入る前にお声かけ下さい。